イラストレーターのおしごと

岩上 喜実

イラストのお仕事を始めたのが18歳だったので、来年で20周年になるイラストレーターとしてのお仕事ですが、「どうやったらなれる仕事なの?」とよく聞かれます。


この仕事に資格はいらないので「私はイラストレーターです」と言えば今日から誰でもイラストレーターになれちゃいます。

ですが次に「で、どんなイラスト描いているの?」と聞かれた時に「あの企業のパンフレットを…」「あそこのCMの…」と答えられるのが職業イラストレーターだと思っています。

私の場合は大阪の専門学校在学中にクラス全員で企画したグループ展がきっかけで雑貨のプロデュースをしている方から声をかけてくださり、そこからイラストでお金を頂くという仕組みを覚え山陰に戻ってやりとりをしながら雑貨だけでなく雑誌やパンフレットの挿絵、お店のフリーペーパーなどを単発で沢山受けていました。

名もたいして知られていないので1カットいくらではなく10カットで何千円の世界ですので頂けるだけありがたく、修行僧のように描いていました。


ここで「やっていられないわ」と思っていたら未来も見えない、クレジットに名前も記入されないので本当にやっていられない状況でしたが、イラストレーターと名乗るには恥ずかしいほど持ち駒が少なすぎましたし、まだこれといって特徴もないし苦手な構図だってポーズだってあったので自分の色なんて一切出さず3年はどんな仕事も受けて描きまくろうと思っていました。
そして修行の3年はとうに過ぎた23歳の頃、やっと自分の描き続けたい線が出てきて楽しくなった時にひとつの転機が来ました。来た、というか行った、というか。
それはまた次回に。

これでイラストレーターという仕事に興味を持ってくれたら嬉しいなと思っています。生活に全く必要のない分野ですが、このイラストを見ると少し微笑んでしまう、という方がいたら嬉しいなと思っています。

岩上 喜実
イラストレーター、イラストエッセイスト
18歳から書籍挿絵、企業キャラクター、CMイラストを描く山陰在住イラストレーター兼イラストエッセイスト。挿絵書籍と自身が描くイラストエッセイを合わせて、文庫化と海外出版含めて2005年から現在で29冊刊行。
2011年から始めた「ゆるイラスト教室」と同年プロデュースと店長をしている「Non café(米子市)」とイラストレーターを毎日のほほんと楽しみながら奮闘しています。
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