見てくれている人の気持ちを考える仕事をしたい

岩上 喜実

今イラストレーターというお仕事をしていますが、学生時代の美術は5段階で2という普通以下で、デッサンの授業も本当に下手で先生方に少し呆れられていた程でした。今でも苦手意識がありますし、似顔絵も得意ではありません。
その中で、私は少しでも下手くそさをカバーしながら自分らしいイラストにする描き方をしようと思い、数ミリの単位で人はこのイラストを見てどう思うのかとイメージしながら描くようになりました。


今回は、ものすごく簡単な説明ですがこういうイメージで描いているのだなと気軽な気持ちで見てもらえると嬉しいです。そして少し真似して描いてみようかなと思って頂けるととても嬉しいです。

まず一番はじめに丸の描き方ですが、スタート位置と方向を決めておくと、描いている線が均等でキレイな丸がフリーハンドで描きやすくなります。

 

そしてキャラクターは大体写真のような順番で描いています。


キレイな丸が描けたら、大きいおまんじゅうを机に投げつけた後の形のイメージで楕円にします。まん丸も可愛いのですが、良い子の顔になりすぎてしまうので表情が出るように少し下ぶくれになるようにしています。
その楕円を4分割にし、十字線が重なる所の少し下に同じく楕円の黒ゴマのような鼻を加えます。何故少し下にするかというと、ちょうど真ん中に鼻が付いてしまうと直立不動のイメージになり動きが付けづらくなるからです。逆に少し上に付けると人を見下したような威圧感が出てしまうので注意しています。
そして左から広角を上げた口を鼻に向かって描き、次に右から鼻に向かって描きます。一気に英語のWみたいに描いてしまうと右側が上がりすぎて少し意地悪な印象になってしまいます。そしてその口角上にスイカの種のような目を付けて顔の完成です。

この顔だと耳を代えるだけでクマにもウサギにもネコにもなります。

 

少しの違いですが、イメージの持ち方で簡単なイラストも幅が広がって行くような気がします。ぜひちょっとしたメモに、手帳に、ちょこっと描いてみて下さいね。

どの仕事にも責任感を持って向き合いたいのですが、自分の技術力不足や経験不足、または他の理由で今の時代『叩かれる』事が多くなってきました。

私もよくあります。ですが、ちょっとした気持ちの変化で『叩かれる』事が平気になりました。

それは、また次回に。

 

岩上 喜実
イラストレーター、イラストエッセイスト
18歳から書籍挿絵、企業キャラクター、CMイラストを描く山陰在住イラストレーター兼イラストエッセイスト。挿絵書籍と自身が描くイラストエッセイを合わせて、文庫化と海外出版含めて2005年から現在で29冊刊行。
2011年から始めた「ゆるイラスト教室」と同年プロデュースと店長をしている「Non café(米子市)」とイラストレーターを毎日のほほんと楽しみながら奮闘しています。
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