自分だけの永遠に愛せる雑貨⑥マグカップ

岩上 喜実

贈り物で頂くことが多くいつのまにか手元に沢山あるのですが、なぜだかいつも同じ物を使ってしまう不思議な存在のマグカップ。

男性にも勿論、何をあげていいか分からない世代やその人の好きなキャラクター物など割と誰からも愛される雑貨だと思いますが、その分自分にぴったりのマグカップを見つけるのは少し難問だったりします。店長をしているカフェでもオリジナルを作っていますが、今回は長年使っている物をご紹介したいと思います。 

朝起きて白湯を飲んだり、おやつと一緒にコーヒーを淹れたり、夕食の後の紅茶を淹れて飲んだりと毎日最低3回は使用しているであろう白いシンプルな『イッタラのマグカップ』です。以前からずっと使用していますが誤って割ってしまったことがあり、落ち込んでいたその日に全く同じ物をプレゼントされ勝手に運命のマグカップだと感じています。


イッタラとは現代的な北欧デザインで有名なフィンランドの企業です。ムーミンとコラボレーションをしたり、色々な北欧らしい柄が多いのですが写真のTEEMAというシリーズのマグカップは、イッタラの中でも際立つくらいのシンプルさで一瞬見ただけでは他のマグカップとの違いが分かりませんが、持って口元に運んでみるとシンプルな中にマグカップの機能性が沢山含まれているのです。

まずは持ったときの適度な重さ、中身を口に運ぶときの角度に合わせた口の形、洗った時にスポンジや布巾に引っかからない優しい印象の丸みなど、素晴らしい特徴で溢れているのです。

性別世代関係なく使用できるデザインと、コーヒーはもちろん紅茶やホットミルク、番茶や緑茶までどのタイプの飲み物もすんなりと受け入れてくれる、そんなカップなのです。2個セットで販売もしているので、贈り物にも喜ばれると思います。

 

そしてそのイッタラの潔い美しさに似たマグカップが日本からも生まれています。長崎県の400年続く波佐見焼きの伝統技術で作られた有限会社マルヒロHASAMIのスタッキング出来るブロックマグカップです。

マグカップの持ち手は手に馴染むように丸みを帯びているのがほとんどですが、こちらのマグカップは直線的で下の部分がカクッと折れています。この部分に薬指か小指を引っかけて安定させ、たっぷり280cc入る飲み物を負担無くグイッと飲むことが出来るのです。


そして中でも気に入っているのが業務用の様に重ねやすいデザインになっている事と、日常的に多少荒く使用しても大丈夫な男前なフォルムです。

ちょっと長い時間机に向かって仕事をする時や、途中立ち上がること無くリビングでゆっくり映画を観たい時などこのマグカップを選んでたっぷりと飲み物を入れるのです。


最後にキャラクター嫌いの私が10年以上使用しているパンダのマグカップです。こちらは新潮社の文庫本に付いている応募券で貰えるいわゆる景品ですが、サイズ感や使い心地、何より100%ORANGEさんのパンダイラスト(yonda?くん)が可愛らしく、長年使っていても飽きること無く和んでしまいます。

お気に入りって、無条件でそういった事なのかもしれないですね。

 

さてこれは余談ですが、10年前にお気に入りのマグカップに出会えたからこそ家でも美味しいコーヒーが飲みたいと欲が出て、講習に行くようになりました。

自分好みの豆と出会い、自分が好きな挽き方を知り、ゆっくりと丁寧に淹れてみたり冒険してみたり。そのコーヒーをお気に入りのマグカップに入れて飲む時間が、とても幸せなんだと最近は深く感じます。

主人が紅茶が好きなので、今度はしっかり紅茶の淹れ方も勉強して良い時間が過ごせたらいいなと思っています。

 

では、また日曜日に。

 

岩上 喜実
イラストレーター、イラストエッセイスト
18歳から書籍挿絵、企業キャラクター、CMイラストを描く山陰在住イラストレーター兼イラストエッセイスト。挿絵書籍と自身が描くイラストエッセイを合わせて、文庫化と海外出版含めて2005年から現在で29冊刊行。
2011年から始めた「ゆるイラスト教室」と同年プロデュースと店長をしている「Non café(米子市)」とイラストレーターを毎日のほほんと楽しみながら奮闘しています。
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