自分の弱点を正確に知る

岩上 喜実

自分の弱点をすぐに挙げることはできますか?前回は何をしたら嫌われそれをどう捉えるかをまとめてみましたが、自分で自分の事が好きか嫌いかを考えたことはあるでしょうか。

 

今は自分の注目していることや存在を周りに発信するのが当たり前の日常になっていますが「自分が大好き!」という人を煙たがる傾向にあるとも感じますし、どこか謙虚にしていないと叩かれる風潮になっている気がします。私自身SNSを観覧しているときは、「これ美味しかった!」という投稿には「美味しそう!いいな!」と思いますし、「ちょっと嫌な事があった…」という投稿には「あらら…大丈夫かな…」と心配になったりします。ですが「自分が大好き!」という投稿には「何かすごいな」と引いてしまうところがあり、それは「うわ、サムい」という意味では無く「こんなに公に自分が好きって言える」投稿そのものが眩しくすごいと純粋に思ってしまうのです。

そこで自分の事を好きかどうかがとても人間関係で重要なことに気付いたのです。自分が「こんな友達がいたらいいな」と思う人になってみたり、「こんな風に仕事を進める人が近くに居たらいいな」と思う人物像を自分がなることによって側に居て欲しい人物に自分が近づく事、そして自分の弱点を正確に知ることで自分の事が好きになる近道になるのでは無いかと思っています。

 

まずは自分の良いところをまとめてみるのですが、先に良いところを挙げる理由の一つは先に弱点や良くないところを考えると自分分析の感度が下がってしまい本当は好きで良いところなのに妙な遠慮が出来てしまって、良いところを挙げる自分に対して謙虚になってしまう心理があるからです。

好きな食べ物を後回しにする行為とはまた違うのですが、頭の中を整理するときや仕事場で注意をしなければいけないときは、その行いに対しての「良かった点」を先に頭でまとめ、良かった点が出きったところで「良くない点」をまとめるようにしているのは、どの行動も悪いように捉えれば悪く見えるものですしその逆もありますから、トータルで自分に対してフラットな気持ちでいたいので順番に気を付けるようにしています。

 

私自身が自分で好きなところは「人見知りをしない」「子どもや動物に怖がられない丸顔」「毎日笑顔」「あいさつはきちんと目を見て言う」といった客観的なものから自分にしか分からないところが挙げられ、そして自分で弱いなと思うところは「咄嗟の計算が出来ない」「一度火が付くと口が悪くなる」「人によって態度を分けている」といった学習能力から生活態度までが上げられます。

 

人見知りをしないのは元々の性格では無く、社会人になった時出来るだけ機会がある人とは影に隠れずお話しをしてみようと会話をしていた事と、ずっと接客業を続けていて色んな世代の方とお話しするのが多かった環境もあって人見知りは全くしない性格になり、これはどんな状況でも使えるので自分の中でとても気に入っている所でもあります。そして生まれたときからの丸顔で何かのキャラクターに見えるのか怖がられることもないので、流行のメイクなどは似合いませんが、初めて会う子どもには笑ってもらえるのでとても気に入っています。

毎日笑顔というのは、学生生活が終わるときに決めた必ず何があっても朝は笑顔で起きて、笑顔で眠れるようにしようという小さいルールなのです。いくら睡眠時間が少なくても、仕事が嫌でも起きてニッコリ「今日もがんばるぞ」と思えば目が覚めてお腹も空いてきます。そしてとても嫌な事があっても悲しくてもニッコリ「今日はとってもがんばった」と思えばいつのまにかモヤモヤしていた気持ちは小さくなり深い睡眠に入れるのです。笑顔とは口角を少し上げるだけの行為なのに、何故か気持ち全体が一変する不思議な動きだなといつも感動してしまいます。

そして「おはよう」「おやすみ」「おつかれさま」「ありがとう」「ごめんなさい」をしっかり相手に対して可能な限り目を見て伝える所は自分の中で最も気に入っています。私自身も人にされたらとても嬉しいことですし、ずっと死ぬまで続けていきたい行為だと思っています。

 

その反対で人によって態度を分け、一度血が上るととても口が悪くなるところが大人として弱いところだなといつも反省します。

色んな人が居る世界だとは分かっていますが、どうしても話が合わない方や嘘をつく方や自分の非を謝らない人、そして言い訳をする人がいて、それが私にだけの被害なら悲しいだけなのですが他の人に被害が及ぶことが分かると、自分でも信じられない位口が悪く冷酷になる事ができますが、そういった苦手な人に対しても周りの空気を悪くさせないよう解決の方向に向かわせるのが今後の私の課題だと思っています。

自分の弱いところを掘り下げてみると、今後の自分への課題が出来るのがこれからの人間関係にとても役立つのではないかと思っています。

まずは自分の好きなところから探してみて、ぜひ今後の課題として弱い所を掘り下げてみて下さいね。難しい人間関係においてとても大切な自分の立ち位置、それはまた次回に。

 

岩上 喜実
イラストレーター、イラストエッセイスト
18歳から書籍挿絵、企業キャラクター、CMイラストを描く山陰在住イラストレーター兼イラストエッセイスト。挿絵書籍と自身が描くイラストエッセイを合わせて、文庫化と海外出版含めて2005年から現在で29冊刊行。
2011年から始めた「ゆるイラスト教室」と同年プロデュースと店長をしている「Non café(米子市)」とイラストレーターを毎日のほほんと楽しみながら奮闘しています。
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