女の子は可愛い邦画、5選

岩上 喜実

映画の画面を観ているともちろん格好いい男性が沢山出てきますが、どうしても目で追ってしまうのは映画自体を格上げしてくれる可愛い女優さんなんです。サラサラの髪がなびいたり、細い手足をしなやかに動かしたり、ダイヤモンドのような涙を流したり、花が咲いたような笑顔を見せてくれたりと可愛いは地球を救うのではないかと思う程、可愛い女の子が出ている映画は心に残っています。今回はそんな邦画5選です。

「モテキ」(2011)主演:森山未來、長澤まさみ

原作コミックや深夜のドラマの人気で映画になった作品ですが、お金もない、夢もない、彼女もいない主人公が謎のモテ期を経験しますが、結局色んな事を考えすぎるのと今までの経験の薄さからそのチャンスを活かせずモヤモヤウダウダモンモンとする姿を映すストーリーです。観ている側からすれば「も~、ウダウダ考えないで動けっ!」と言いたくなることばかりですが作品に出てくる女性達は曲者ながら愛おしい魅力溢れる方ばかりで、その中でも作品内で「殺人級の笑顔の女」と言われている長澤まさみさんは女性の私から見ても可愛すぎる程可愛いのでそれだけでこの映画を観たかいがある!と断言できるほどとても魅力的。実際こんな可愛い子が目の前にいたら動けなくてもしょうがないか、と思ってしまいます。長い足を布団に絡ませたり、少し酔って頬が桃色になっていたり、デヘヘと屈託なく笑ったり、急に泣いたりヒステリックになったりと女の子のずるくてどうしようもなく可愛いところが一杯詰まった女性なのです。

作品の中ではうだつの上がらない主人公の毎日はモテ期により浮かんだり沈んだりを繰り返しますが、それをミュージカルテイストや森山未來さんの完璧なダンスで彩り、心地よいスピード感の溢れる内容につい楽しくなってしまいます。

「婚前特急」(2011)主演:吉高由里子

5人の男性と同時に付き合い一番結婚にメリットがありそうな男性を査定していた主人公が、一番格下にランク付けしていた5番目の男性に「俺たち付き合ってたっけ?」と言われ愕然とし可愛い復讐に燃えるストーリーで最後は軽くファンタジーになっていますが主人公の吉高由里子さんのくるくる変わる表情やリアリティーある愚痴の言い方やミニスカートのスーツで原付を乗り回す姿は女性から見ても可愛い!と思える魅力で溢れています。そしてこういった複数の男性と同時進行できる女性は、仕事の段取りや要領も上手くメリットとデメリットを瞬時に判断出来る能力に長けていると思います、が、これは吉高由里子さんだからキーキー怒る姿も愚痴を言う姿もつい目で追ってしまい色々な場所で入るクラシック音楽もコミカルに聴こえてしまう小憎たらしくも可愛い女の子映画です。

「俺物語!」(2015)主演:鈴木亮平、永野芽郁

少女コミックが原作の映画で、ついがんばれ!と応援したくなる可愛いさと、高校生らしからぬ身体の作りが特徴的な男子高校生と可愛い女子高校生の純愛コメディーです。まず出ている登場人物が全ていい人なのと、女子高生役の永野芽郁さんの一生懸命好意を伝える姿や、悩んで悩んでもだえてしまう姿や、好きな人の一言で空も飛べるほど嬉しくなったりする姿がかつて恋をしたことがある女性なら胸がキュッとなってしまう程可愛い!と思うはずです。少女コミック原作の映画は不得意な分野で敬遠していましたが、この映画はどの世代が観ても爽やかな気持ちになる、と思える可愛い作品でした。

「リンダリンダリンダ」(2005)主演:ペ・ドゥナ 香椎由宇

高校生活最後の文化祭前にメンバーの一人が怪我をし、友達のいなかった韓国人留学生が訳も分からないまま加入しブルーハーツの「リンダリンダリンダ」を文化祭で歌う、というストーリーです。

無表情でも眼の動きだけで演技をするペ・ドゥナが初めて日本で仲間を得た喜びを淡々と写す姿も、ゴリゴリの男バンドの曲を女子高生が演奏し歌う姿が一生懸命さと相まってとても可愛いのです。学生の時に数日間でも無心に頑張ったり、我慢したり、泣いたり、悔しがったり、笑ったり、それで出来た結果は納得いくものとは違ったとしても彼女たちには思い出を作るという理由ではなく一生心に残る事を経験できたという最後になっており、少し退屈しそうな淡々とした画面の流れの中で、未成熟な彼女達のふんばる可愛さは際だっています。

あとは無条件で女子高生が制服でギターやベースを弾いたり、ドラムを叩く姿は何よりも可愛いですし、「リンダリンダリンダ」や「終わらない歌」は世代を超えて名曲だったというのも分かる映画なんです。

「おんなのこきらい」(2015)主演:森川葵

女の子は可愛いとそれだけで生きる価値があり、女の子に嫌われようが自分の可愛い美学をとことん追究し、自分の持っている〝可愛い〟で戦場に近い現代の社会で闘っている女の子のストーリーです。

私は女性ですが、テレビの中や実際にも時々現れるとてつもない可愛い人には目を奪われ、有名パティシエのケーキを食べたような甘い幸せな気持ちになります。それが異性ともなると男の子はどうしていいのか分からないくらい可愛いくて大変なんだろうなぁ、と余計な心配をしてしまいます。

この映画の主人公、仕事はしっかりこなしているのに男性との交流のあざとさばかり目立って同性からは冷たい目を向けられ、それをむしろ糧にしているような逞しさがあります。ですが好きな男性に「可愛いと自分で思っている所がウザイ」と言われサバサバ装ったボーイフレンドジーンズ系女子に奪われてしまいます。女性の私から見たら、ジーンズ系女子の方がはるかにあざとく好きな男性を落とす手法を巧みに操っているものなんですが…例えばジーンズにチェックシャツのボタンを閉めずに羽織り、その下に着ている薄手のインナーが胸の大きさを無言でアピールしているような、そんな微妙なあざとさ加減が少し怖かったりするので分かりやすく男性の前で声が高くなる女性の方が可愛く思ったりします。

ここから落ちて這い上がった後の、変身して主人公の笑顔が本当に可愛くて是非あと一本何か借りようかな、という時にお奨めの映画です。

家でDVDを観ていると暗くなった瞬間自分のボケーッとした顔がぼんやり写り、ますます可愛いって正義だと感じる事が多いのです。

良かったら是非観てみて下さいね。

岩上 喜実
イラストレーター、イラストエッセイスト
18歳から書籍挿絵、企業キャラクター、CMイラストを描く山陰在住イラストレーター兼イラストエッセイスト。挿絵書籍と自身が描くイラストエッセイを合わせて、文庫化と海外出版含めて2005年から現在で29冊刊行。
2011年から始めた「ゆるイラスト教室」と同年プロデュースと店長をしている「Non café(米子市)」とイラストレーターを毎日のほほんと楽しみながら奮闘しています。
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