自分だけの永遠に愛せる雑貨④かご
和風なインテリアには勿論、モダンな雰囲気のお部屋でもシンプルナチュラル風のリビングにも合う雑貨といえば『かご』ですが、素材や編み方で全く違う印象になるのがとても面白い存在だなと感じます。
雑貨屋で販売をしていた時代にはかごをご購入されるお客様に何を入れるのですか?と聞くと大体が「かごが好きなので、用途は追々決めていきます」と照れながらお話しして下さったことを思い出します。
その時は「サイズが合わなかったらどうするのだろう?」「何も入れる物が無かったらどうするのだろう?」と秘かに思っていましたが、私自身も10年前に購入したかご達は買った当時に使っていた用途とはまるで違う使い方をしているので『かご』という存在は年々変わっていく暮らしに寄り添って変化していく雑貨なんだなと思いました。
まずは展示会で一目惚れをして、自分用に注文し今も大事に使っている『松野屋の脱衣かご』です。その名の通り、お風呂屋さんの脱衣所にあったかごの造りと同じなので購入した当初は仕事から帰ってきて脱いだ服をポンと入れていました。かごが無い時はベッドに置いていたので見栄えも悪く落ち着かない気分になっていましたが、脱衣かごに入れるようになってからは何故か部屋がすっきり見えて「今日もがんばったなぁ」と落ち着くことが出来たのです。ただ、脱衣かごを置いただけなのにその気分の変化は自分でも驚いてしまいました。
その後は生活が変わる度にブランケット入れになったり、干した洗濯物を入れたりと色々活躍しましたが、今現在はツバのある帽子入れになりました。先日衣替えをしたので麦わら帽子入れとなっていますが、夏物には夏の涼しいかごの顔に、秋冬物には温かいかごの顔に変わるのがとても不思議で頼りがいがあるのです。この松野屋さんには魅力的なかごや雑貨が多数あるのでいつも大量に買いたくなるのですが、そこを少しこらえて自分なりに厳選した物を使っています。少し懐かしくて、造りが温かく感じるのでずっと使っていきたいと思える雑貨に必ず出会える不思議なお店なのです。
取手付のかごも、とても魅力的ですよね。
めずらしい長方形の取手付のかごは雑誌「雑貨カタログ」で一目惚れをし、初めてかごを通販で購入しました。私にしては珍しく衝動的な買い物だったので届いたときは少し不安でしたが、使い続けていくと存在感はあるのに存在感を消すのが上手なかごだということに気がつきました。今は冷蔵庫の上に空き瓶を置くかごとして役に立っていますが、たまにリビングでお花やグリーンの置き場にしてみたり、お裾分けの料理を運ぶのに使ったりと多種多様に使えるかごとしてとても役に立っています。
左右の扉が開く仕組みになっているかごは、近所の雑貨屋さんで見つけ2,000円程で購入した物ですが、最初はファンシーな柄の布が縫い付けてありそれが苦手で糸を解いてかごだけの形にし、裁縫道具を入れていました。今は中身を入れ替えインテリアの一部になっていますが、本だらけの本棚の中にこういったかごがあると少し目が和むようでインテリア雑貨としてもかごはやっぱり素敵だなと思いました。
そして最後はfogのワイヤーかごです。今までご紹介したかごとは雰囲気が違い無骨でクールなイメージに見えますが、そのクールさがお部屋のいい引きのアクセントになるので10年前ナチュラルインテリア雑貨ものばかりを購入していた私にとっては大変な冒険でしたが、今となっては家のインテリアに欠かせない存在になっています。全部足し算だらけの雑貨探しをしていた頃に、このそぎ落とされたワイヤーかごに出会えた事で色々な事もそぎ落としたら本当に好きな物が際立つのでは、と感じるきっかけになったのです。
人間と同じで成長する雑貨とはとても楽しい物だなと思います。そういった思いをしてから雑貨を無駄に買い漁ることはなくなり、より厳選して素材や作り手の説明を読むようになりました。きっと10年後も側に居る、そんな雑貨と出会えたらとても幸せだなと思って雑貨屋さんに足を運ぶのだと思います。
そしてその雑貨屋さんは外から見たら案外簡単そうな仕事じゃないのか?と思われることが多いのですが、何百点もある在庫を管理し、その一つ一つの素材や用途をいつ質問があっても大丈夫なように頭に入れておく必要があるのです。それに加え毎日のように入荷する雑貨の納品処理をし、また用途を確認し、お客様に手にとって頂ける場所に配置し、購入の際には喜んで頂けるラッピングをする。これらをすべて笑顔で行うので簡単そうに見えるのかもしれませんが、大変な作業の毎日だったように思えます。
ですがお客様の手に渡るその瞬間が嬉しくて、雑貨屋さんは毎日笑顔で作業をしているのだと思います。
笑顔で働く事って、簡単なようで難しいけれど、きっととても楽しいですよね。
それも雑貨屋時代に学んだ大切な事でした。
では、また日曜日に。
2011年から始めた「ゆるイラスト教室」と同年プロデュースと店長をしている「Non café(米子市)」とイラストレーターを毎日のほほんと楽しみながら奮闘しています。
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