パステルピンクに包まれるBGM
女性同士の会話って何であんなにキャッチボールが愉快の方向ばかりに行くのに着地点が同じだったり、相談事が笑い話になったり自慢話になったりと何てハチャメチャなんだろうと思っています。同性の私でも感じることなので、異性から見たらさぞかし異世界の会話に聞こえるんだろうな、と少し愉快になってしまいます。
ですがその会話がカフェの中では上手くBGM化されており、女性が約8割強の自分のお店では特にその感覚を実感することが多い毎日です。
その、まるで女性達の会話のようなキラキラ感を放つ日本の女性シンガーの曲を流すとお店中はパステルのピンク色に包まれたような感覚になり、まるでわたがしの中でおしゃべりをしているような面白い勘違いが出来る空間になってしまうのです。
土岐麻子(とき あさこ)
クイーン・シティ・ポップと称される彼女は、1997年バンドのリードシンガーとしてデビューしましたが2004年に解散しその後ソロで活動を始めたシンガーです。曲や歌だけでなく、数々のCMナレーションやナビゲーターもしており透明感と何故か耳と頭の後ろ側に残る不思議な声をしているのも魅力の一つです。
苦しい思いをして作ったと本人が言うデビューアルバム「Debut」(2005)は、どこかノスタルジックで切なげな反面、日曜日の朝陽のようなワクワクした優しさもあり全曲通して捨て曲無しでカフェに流せる1枚です。
この、捨て曲無しで1枚を通して流せるアルバムが意外と無いものなんですが、土岐麻子さんのアルバムはどれも全体バランスに裏切りが無く視聴しなくてもつい購入してしまう可愛いマジックのようなものがある不思議な感覚になります。
そして本人が出演したユニクロのCMで流れた「How Beautihul」(2008)がヒットとなりCMやTVでよく耳にするようになりました。その曲が入っている「TOUCH」(2009)というアルバムは明らかに1枚目とは違うポップ感がプラスされ、どこか出かけたくなる秘かなワクワクや小さなドキドキが生まれてくる1枚です。
ジャズやジャパニーズポップのカヴァーも多く、特に「standards」シリーズとしてリリースしているジャズカヴァーは重厚なジャズも全て土岐麻子カラーに変えてくれ普段ジャズを聴かない人でも「何かかっこいいかも」という入り口を作ってくれる間口の広い歌い方をしているのです。それは深い愛が無いと歌えないことではないのかな、と素人ながらに思っているので自分が思っている以上に素晴らしいことなんだと感じています。
ジャパニーズポップのカヴァーも聴き所が多く、色んなイメージを持たせてくれる声なのにどれも土岐麻子さんにしか出せない雰囲気を持っているというのが、目が離せない理由の一つです。
私には好みの女性シンガーが何名かいますがその中でも今回の土岐麻子さん、原田知世さんやアン・サリーさんがとても好きで、その理由は誰にも何も押しつけずただ居心地の良い空間を歌声が作ってくれる点に聴く度感動してしまうのです。音楽とは、という難しい事は何も分かりませんが何も知らない素人にもそう思わせてくれる女性シンガーがとても大好きです。無条件の居心地の良さは、私のカフェの目指すところでもあります。
よかったら是非聴いてみて下さいね。
2011年から始めた「ゆるイラスト教室」と同年プロデュースと店長をしている「Non café(米子市)」とイラストレーターを毎日のほほんと楽しみながら奮闘しています。
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