自分だけの永遠に愛せる雑貨⑨季節雑貨

岩上 喜実

お誕生日やクリスマスやお正月、七夕やお月見などは、家族全員でリビングの飾り付けやお料理に少し季節感のある飾りを乗せてイベントを楽しんでいた両親の元で育ったので、結婚した今でも大げさにはしない程度に季節感を家の中にも出すようにしています。
例えば少し肌寒くなってきたらリビングのラグを暖色系に替えたり、クッションカバーもノルディック柄やフワフワした毛並みのものに変えて松ぼっくりやドングリ、クリスマスが近かったらブリキのツリーやオーナメントを飾ったり。

逆に暑くなってきたら寒色系にサラッとした素材の物に替えチューリップや小さい紫陽花などをこっそり飾ります。その時に毎年使用している私の定番の季節雑貨があるので、それらをクローゼットから出すと「もうこんな時期かぁ」と季節を感じてしまいます。季節に応じて使う物こそ長く自分の好きな物を使いたいと思い、私なりに厳選した物をご紹介したいと思います。

 

まずひとつ目は、夏にはスイカやトマトを冷やしたり液を入れて食器を消毒したり、秋冬にはお湯と入浴剤を入れて足湯をしたりと季節に応じて様々な使い方が出来る『野田琺瑯の楕円型洗い桶』です。野田琺瑯さんはその名の通り琺瑯製品を取り扱っており、この洗い桶以外にもタッパーやラウンドストッカーなどの保存容器も長年愛用しています。酸に強く臭いが付きにくいので、容器や桶は通常の使い方はもちろん様々な使用方法ができるのが魅力だと思います。


後はなんと言っても、おおざっぱな私が少し手荒に使用しても少々のことでは汚くならないのが好きな理由です。さすがに落としてしまった時は角が欠けてしまうこともありましたが、それ以外は全く白さがくすむことも無く活躍してくれています。医療現場でも使用されている琺瑯製品、是非使ってみて下さいね。

 

ふたつ目は梅雨に入って蒸し暑くなるこの時期から、ひっそりとリビングにいるのは中に蚊取り線香を入れて使用する『蚊遣り』です。

今はグレープフルーツやピーチなどの香りを楽しめる蚊取り線香が増えているので、部屋の換気のため窓を開けたいけど蚊が入ってくるのは嫌だった私は、色々な香りを楽しむように蚊遣り生活を楽しんでいます。

蚊が出なくなる季節になれば、円錐型のお香を使用するときにも使えるので季節小物といっても年中日常的に使用できるアイテムです。蚊遣りというと和風なイメージがありますが、写真の蚊遣りのように取手が鳥の形になっていたりと洋風のお部屋にも合うように作られているので贈り物にも喜ばれると思います。嫌なイメージの蚊の季節を、少しだけ楽しい気分にさせてくれる雑貨です。

 

みっつ目は冬の暖房器具だと首から上だけ暑くなってのぼせてしまう私が、眠るときに使用している『湯たんぽ』です。真冬の夜中にイラストを沢山描かなければならない時や、足元が冷えて眠れない時、下腹部の痛みを和らげたい時などお湯を沸かしてアルミの湯たんぽの口を開いて注ぎ朝冷めたら、たらいに入れてぬるめの足湯にしたりと寒い冬に欠かせない存在になっています。そして氷水を入れて真夏の夜や、熱が出た時の氷嚢として使えるのも魅力です。シリコンなど色々な素材が出てきていますが、私は何故だかこのちょっと頼りなさげに見えて頼れるアルミの素材がとても気に入っているのです。

 

子どもの時は毎日季節を感じて1日1日が長く感じていましたが、毎日仕事や家事などに追われているとあっという間に月日は流れ先日お花見をしたような気がするのにもうすぐ海開きだ、なんて事も多いですよね。

大人の皆さんはお食事に出かけると旬の食材で季節を感じたり、朝の空気や洗濯物の乾き具合で季節を感じたり。それと同じように季節ごとに使う自分のお気に入りの雑貨があれば、寒くなるのも暑くなるのも少しだけ楽しみになってくるような気がします。

 

そういえば、雑貨の季節物の商品の注文はビーチサンダルが入荷し、陳列する頃にその冬のモコモコのマフラーやクリスマスの商品の注文数を考えなければならなかったので、季節を感じるのが少し下手だったような。外がじりじり暑くて道路から摩天楼が見えていても、頭の中は極寒の中お客様は何を購入されるか…で頭がいっぱいでした。

3ヶ月先、半年先を考えて戦略を練る、それは雑貨屋さん時代に学んだことの一つです。

 

では、また日曜日に。

 

岩上 喜実
イラストレーター、イラストエッセイスト
18歳から書籍挿絵、企業キャラクター、CMイラストを描く山陰在住イラストレーター兼イラストエッセイスト。挿絵書籍と自身が描くイラストエッセイを合わせて、文庫化と海外出版含めて2005年から現在で29冊刊行。
2011年から始めた「ゆるイラスト教室」と同年プロデュースと店長をしている「Non café(米子市)」とイラストレーターを毎日のほほんと楽しみながら奮闘しています。
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