嫌われる勇気より上に立つ覚悟
スタッフを雇うということはお店にとってプラスに働くことと、マイナスに働くこと両方あると思います。自分の仕事が分担され様々なことがスムーズに運び、自分では出来なかった事が出来るようになるのはプラスですが、指示指導がうまく伝わらずお店にとってマイナスのスタッフも存在しました。
そしてその時、いつも上手く指示指導が出来たら…と悩んでいました。的確に、嫌みにならず、そのスタッフの何かに響き、嫌われないようにと伝えてきました。ですが全く何も伝わらず、ただの芯が無い八方美人な店長になっていたのだと今なら思います。沢山のスタッフが辞めていき、その中で気付いたのは私は指示を出したい、指導をしたいと思って人を雇っているわけではないと言うことでした。
もちろん指示を出したいのですが、ただ単に失敗のあら探しをして注意をするのではなくスタッフには自分が犯した数々の失敗を未然に軽く出来るような指示を出したいのです。嫌われる、好かれるの前に自分の仕事の芯をしっかり持ち、その上で気付いたことを自分で気付いて貰える動きや言葉を伝えていきたいのです。
色んな周りの人に、人を雇っているのだからオーナーはお店のシフトにあまり出なくても奥に居て指示だけ出せば良いのでは?と言われることも多くなりました。ですが、まず私がお客様の顔を覚え接客をしたい。味が落ちていないかお客様の反応を直に見たい。掃除や接客が疎かになっていないかチェックしたい。その気持ちが大きくこれからも頻繁では無くてもお店には出続けたいと思っています。
それにお店にたまに来るだけのオーナーの指示を、毎日お店で頑張ってくれているスタッフは耳を傾け実践してくれるとは思えないのです。どこかで「たまにしか来ないくせに」と思われ指示が響かなくなるのがとても嫌なのです。
その人に届く指示を的確に出したいからお店に出続けるというのも大きい理由です。好かれたいわけでも、嫌われたいわけでもなくそのスタッフを信頼したいから指示を出している、というのが伝わればいいなと思っています。
もし人を雇っている立場の方でちゃんと伝わっているのか分からないのなら、可能な限り同じ仕事をし同じ事で悩み、そして会話をし解決していけばいいのだと若輩者ながら感じています。今時の若い子や○○世代でくくるのでは無く、そのスタッフ一人一人の環境や背景をオーナー側が知る事もとても大切だと思っています。無関心そうな人ほど沢山の事を考えていたり、聡明で快活な人ほど他人には分からないように悩んでいたり、話せば話すほど、どのタイミングでどういった指示を出せば伝わるのかが少しずつ見えてくるような気がします。
伝えたければその人を知る、それが私の指示指導の一歩目になります。
私もまだまだ誰かに注意されたいと思うこともありますが、人に注意をされなくなった立場になって初めて怖さを感じました。仕事の全てが責任重大になり、全てが『人に指導できる立場の人の仕事』となるのです。その緊張感が、きっと女性オーナーとして背筋を伸ばし仕事に向かう糧になっているのだと思います。
その女性オーナーになるという事は、男性がオーナーになる事とは少し意味が違っていることがあります。その意味とは、また次回に。
次回は日曜日が元日の為、8日に更新をします。みなさま、よいお年をお迎え下さいね。
2011年から始めた「ゆるイラスト教室」と同年プロデュースと店長をしている「Non café(米子市)」とイラストレーターを毎日のほほんと楽しみながら奮闘しています。
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