好きな人に会いたくなる、邦画5選
好きな人が出来ると嬉しくて毎日が輝いて見えますが、その反対でとんでもなく哀しくなったり嫉妬にかられて今までの自分では想像できないほど激しい気性が出てきたりと不思議な気持ちに征服されてしまいますよね。そのウズウズした気持ちをよく表した映画を観る度、好きな人に会いたくなり「大好きだよ!」と目を見て伝えたくなります。自分の好きな人に好かれているという事と、好きな人が元気に存在してくれている奇跡に感謝する気持ちを忘れずにいたいな、と思います。
そんな好きな人に会いたくなる邦画5選、よかったら見てみて下さいね。
「人のセックスを笑うな」(2008)主演:永作博美、松山ケンイチ
美術学校に通う男子生徒と非常勤講師の女性との恋の物語ですが、タイトルを聞いただけでは性行為満載の内容かと思いきや男子生徒の一途な恋目線がいじらしく、まるで学生時代の同じクラスにいた男子の不毛な片思いを観ているような作品なのです。女性の私から見ても非常勤講師役の永作博美さんのタバコを吸うシーンやリトグラフのシーンはドキッとしてしまう程綺麗ですし、男子生徒役の松山ケンイチさんがその魅力に翻弄されるのも見ていてとても可愛らしい、と思ってしまいます。みっともないくらいはしゃいでしまったり、周りが心配するほど振り回されていても恋真っただ中にいる人の片思いを笑う人はきっと今までろくな恋愛をしてこなかったんだろうな、と感じるほど恋をするって眩しくて哀しくて羨ましいのです。
そして個人的に気になったのは全体的に長回しのグレーがかった画面の中に出てくる風船やコートなど〝黄色〟の小道具。調べてみると黄色は〝気が狂う〟という意味があるそうで、恋は人を狂わす、そういった細かいところまで恋心がいっぱいの映画です。
「彼らが本気で編むときは、」(2017)主演:生田斗真
男性が女性として人生を歩もうとしているトランスジェンダーの主人公と、その恋人(男性)と母親に育児放棄された少女の話…と聞いたときは人間模様を哀しい雰囲気で映しやっぱり愛情は素晴らしい、なんて流れだろうなと思っていましたが大人でも子どもでも、男性でも女性でも人を好きになって、その人に優しくしたいというのは共通な想いなのだと感じる作品でした。好きな人達と御飯を食べることの幸せな気持ちや、何かをしてもらって「ありがとう」と伝えることが出来る優しい気持ちや距離感など、全人類が皆こんな想いで生活していけたらもっと世界は優しくなるのだとも思います。好きな人に「好き」と言える環境に感謝して、好きな人に会いたくなるそんな映画なんです。
「箱入り息子の恋」(2013)主演:星野源、夏帆
市役所に勤める女性と付き合ったことのない実家暮らしの35歳の男性と、目の不自由な女性とのゆっくり始まる恋の話ですが、経験がなかろうが何かが不自由だろうが、恋をした時は誰もがドキドキし少しワクワクしてすごく怖くて、そんな心臓があっちこっちに飛んでいきそうな思いを可愛らしく魅せてくれる作品なのです。親同士のお見合いから始まりますが、対人恐怖症のような主人公の男性が雨の日に傘を貸すのは一世一代の勇気だったと思うし、それからの出来事は一つ一つが新しいチャレンジの連続だと思います。そういえば恋ってチャレンジの連続が当たり前に変わって、それから進むものなんだと思い出すことが出来る映画です。
両親役の平泉成さん(もしかしてお前ホモなのか、の言葉は聞けなかったけど聞いてみた感じがとてもいいです)や森山良子さん、黒木瞳さんが自分の子どもを心配する姿がとてもリアルでそれも可愛らしく、もどかしいのも未熟な男女の恋の始まりを表していて胸がうずうずしてしまうのです。
「月とキャベツ」(1996)主演:山崎まさよし
何度VHSで観たか分からないほど繰り返し観た恋の映画で、バンドを解散した途端歌が作れなくなった主人公は喧噪を離れ田舎でキャベツ栽培に明け暮れていた頃、ダンサー志望の女性と出会い曲作りを再開する内容です。何かに失望したときに恋が始まりやすいのは恋愛のセオリーだったりしますが、居なくなってから気付く恋心を山崎まさよしさんの名曲で締めくくられるのがとても哀しくて「好き」という言葉の素敵さを思い出させてくれ、好きな人に「好き」と言える自分の環境に感謝したくなる、そんな恋愛映画だと思っています。…そして何より好きな人の為の音楽を作れる人って、本当に無敵だと感じミュージシャンがモテる理由がよく分かる作品だとも思います。そりゃあ、ピアノにしろギターにしろ普段恋の言葉を言わない人が「好き」より上のレベルの言葉で伝えてくれたら好きになるに決まっていますもの。
「ジョゼと虎と魚たち」(2003)主演:妻夫木聡、池脇千鶴 監督:犬童一心
今時の就活やサークル、飲み会に忙しい男子大学生と世間から隠れるように暮らす身体が不自由な女性の恋の物語ですが最初に言っておくと、一番好きなシーンは綺麗に別れている場面がせつないの一言では片付けられない女性の賢さが男性の人としての足りなさを表現していて、男女が綺麗に別れられるのは偏に女性が哲学者であり現実的であることが必要なんだと思えるほどでした。ですが女性は事を致した後男子学生と出会う前は「自分は海の底深くに住んでいた」と話し、「あなたが私の元を離れたらまた海の底に行くことになる」と続きます。女性は男子学生に何かを言って欲しかったのか、それとも何も言わずにいつかくる別れの時までこの今ある純愛を成り立たせるか…
「好き」という気持ちだけでは何にも出来ないことがある、と分かった瞬間に物事を冷静にクリアに見ることが出来るのは女性ならではの視点なのかもしれません。観たことのない方は、是非観て欲しい作品です。
人は何歳になっても恋する気持ちを持っていたいと思うからこそ、恋愛映画は無くならないのだと思っています。そこに余計な打算を挟まず素直に突き進み相手のことをよく考えるだけで、それはすばらしい純愛だと映画で知ることが出来た気がします。寒いこの季節だからこそ、純愛映画を観て温まってみて下さいね。
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