心のドアは半開きに

岩上 喜実

心のドアの開け方を知っていますか? 

同性異性関係なく心惹かれもっと仲良くなってみたいと思える人に出会える事ってある種の奇跡を感じているのですが、歳や経験を重ねれば重ねるほど色々な状況のバリエーションを考えてしまって挨拶の次に何を話したらいいのか分からなく当たり障りのない内容で終わることがあります。

その時にこの人の心のドアを少し開けて覗いてみたいな、と私は思うのですが会話以外でどうしたらドアを開けて貰えるのでしょう。

 

まずはどういった流れでその人と知り合って話しているのか状況を整理し、前回お話しした自分は一体どの立場で役割なのかを頭に入れておく必要があります。会話をするだけでそこまで考えなければならないの?と思う方も多いと思いますが、やみくもに話したい事柄を次々と並べたり、かといって話を引き出そうとして質問攻めにするのもどちらも微妙な空気になると思います。

まずは「あなたとお話ししてみたい」という気持ちをしっかり持ち、ある三つの準備を事前にしておきます。

 

一つめは、常に見綺麗にしておくこと。これは相手に不快感を与えないように洋服がTPOに合っているか、強い柔軟剤の香りや食事の匂いが移ってはいないか、シミやシワをそのままにしていないかを気にする習慣をつけておきます。大人の女性としてカジュアルなスタイルでも汚れをそのままにしていたり、思い切りTPOに合っていない服装をしていると「少しだけ非常識」に見られ、いくら話したい相手がいても自分に自信が持てなくて話が途切れ途切れになってしまう恐れがあるのです。服装はまず一番にその人の好みや趣向が分かる手段ですので、いつでも尻込みしないよう見綺麗にしておくと自信が持てるのだと思います。お洒落ではない私ですが、汚いものは身につけないようにしています。

 

二つめは、肌や爪を健康にしておくこと。肌や爪はその人の健康状態や環境が分かる手段ですので、荒れていればどこか生活が不規則なのではと相手を無意識に不安にさせてしまうことになるのです。そして吹き出物などある場合、気にしすぎてあまり相手のことが直視できず知らず知らずの内に早くこの場から去りたいといった態度になりかねないので何回か会っている方となら平気な事が多いですが、初対面で気になる存在の人と話す場合でしたら尚更自分の見かけを意識しておくと、自信を持ってお話しすることができるのだと思います。

 

そして三つめはどのキーワードが投げかけられてもある程度返せる位の知識を持つことです。世間の情報や新聞、ネットニュースを読み分からない単語が出てきたら簡単に調べておく事や、小説などの文章を読み言葉のボキャブラリーを増やしておく事、映画を観て色々な世代の感情や心情を考える癖を付け相手をよく見る事など投げかけられた言葉に対して今の自分にとって最上級の言葉を何個も用意しておくと会話が弾むのだと思います。

 

人の魅力は最初ほぼ見た目の印象で受け取られてしまうので、その中でいかに相手に不快な思いをさせないかという心遣いが後々心を開いてくれる鍵になるのだと思います。心のドアを開けたい人が現れたら、不快を与えないよう知識を沢山準備しておき自分の心のドアを半開きにする、それが私の人間関係の作り方のひとつなのです。

誰だって無理矢理こじ開けようとする人より、ゆっくり温かい人間関係を育む方が心地よいですよね。もし今あなたに気になる人が同姓でも異性でもおられたとしたら、ゆっくり、しっかり、心のドアをノックしてみて下さいね。

 

ですがどうしても話すのが苦手な方はおられると思います。そんな時無意識にしてしまう事があるのですが、それはまた次回に。

 

岩上 喜実
イラストレーター、イラストエッセイスト
18歳から書籍挿絵、企業キャラクター、CMイラストを描く山陰在住イラストレーター兼イラストエッセイスト。挿絵書籍と自身が描くイラストエッセイを合わせて、文庫化と海外出版含めて2005年から現在で29冊刊行。
2011年から始めた「ゆるイラスト教室」と同年プロデュースと店長をしている「Non café(米子市)」とイラストレーターを毎日のほほんと楽しみながら奮闘しています。
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