楽しく文章を「つくる」
料理や家事でも、仕事でも何でも私たちの日々は「つくる」事で溢れていて、その事で悩んだり辛くなったりすることもあるけれど上手くできたときや、ふとした瞬間に褒められたりすると作る前の不安の形は少し変わり自信とまではいかなくても楽しいという素直で美しい感情が芽生えてくるのが分かります。
私が仕事で文章を作る時はいつも最初に気持ちを整えてから文章の内容を紙に書き出し内容の筋を組み立て、何を伝えて読み手にどんな余韻を残してもらえたら嬉しいのかを想像し、終わり方を決めて最初の文章を決めることにしています。それはどんなに短い文章でも、果てしない長さの文章でも同じで設計図をきちんと作ることで自らが安定した気持ちで文章が作れるようにしていきたいという希望の表れでもあるのです。
悲しいときや悔しいとき、辛くてしんどいときに思っている事の全てを組み立てもせずに一気に文章を書き上げたことがありますが、悩みが多かった学生の頃夜中に書いた手紙のようなもので一晩たって朝読み返すと感情が安定していない事で、言葉のセレクトも語尾も接続詞もめちゃくちゃで読みにくい上に結局何が伝えたかったのか分からない事になっていました。そして何より書いていて楽しくなかったのです。
好きな料理は旬の食材を選ぶところからレシピを探し、下ごしらえを丁寧にすることで作る行程が楽しくなり出来上がったときは次回への自信に繋がりますし、仕事はいくら歳を重ねても分からない事は沢山出てくるもので、それを経験値という数字に甘えないようちゃんと調べ勉強し、自分で考える事が出来たら何故か楽しくなってくるのです。
それだけではなく色んな事柄を楽しく行う事を自然と自分の中に決めてからは、文章を作るときも楽しい気持ちで向かうことで安定した言葉を安定した文章の流れで組み込むことが出来、仕上がった文章を仕事として、そしてこういったブログで出すことが自分自身の今居る場所の道筋を作ってくれたような気がします。
文章とはその時その時の感情や知識の最先端を表すものなので、後で見返すとその時の自分の考え方や感情や知識の程度がとても鮮明に分かりやすく思い出すことが出来るものだと考えています。街での流行り物のように、自分だけにしか分からない言葉の流行や一文の使い方など懐かしくもあり、恥ずかしいこともあります。
ですがそれを残しておくことで〝今現在の自分〟に対する戒めや反省、そして応援のメッセージにも見えてくるので写真と同じような不思議な感覚が生まれるのが自分で作る文章の醍醐味でもあるような気がします。あの時の自分はこんな風に物事を捉えていてあんな風に感じていたけれど今の私はこう感じる、その課程を言葉で残しておくことの楽しさを、これからももっと様々な所から言葉を集め、伝え方を考え、そして楽しみながら言葉を紡いでいく事ができたら私はとても幸せなんだと思います。この楽しさを、是非文章が苦手だという人の何かのとっかかりになればとても嬉しいです。
私の「つくる」12回を読んで頂いてありがとうございました。
2011年から始めた「ゆるイラスト教室」と同年プロデュースと店長をしている「Non café(米子市)」とイラストレーターを毎日のほほんと楽しみながら奮闘しています。
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