私のワガママで流すBGM

岩上 喜実

自分のカフェを始める前や始めた時は、BGMなんてただ好きなアーティストの好きな音楽をセンスが良い雰囲気にして流せばいいとだけ思っていました。

ですがいざやみくもに好きな曲ばかり流していると、お客様のふとした時の反応や間が少し居心地が悪いように感じたのです。その事を気にしだしたら途端に全ての曲を確認して、実際自分でも流しながらコーヒーを飲んだりご飯を食べてみて気持ちの悪い空間になっていないのかを自分に問い、そして少しずつ入れ替えたのです。1曲1曲、聴いていて心が急かされるようなメロディはないか、マニアックすぎて長居しづらい空間になってはいないか、それまでとは全く違う角度でBGMを選ぶようになっていったのです。

するとBGMの効果かどうかは分かりませんが、空気感が徐々に変わっていくのを当時毎日出勤していた私は目の前で見ていて面白くなっていく程だったのです。最初の頃はその頃ナチュラル系カフェブームの流れで、少しテンポのゆったりとした曲調の上ささやきながら歌うウイスパーボイス系が流行っていたので流していましたが、それだと女性と一緒に来店された男性のお客様が居づらいような雰囲気が気になっていました。今はどこかで聴いたことのある曲かそのカヴァーやアレンジされた曲とテンポが速過ぎずゆったりし過ぎない曲、そして来店されるお客様はもちろん働くスタッフが楽しくなるような曲を選ぶということを意識しています。

その中でカフェの雰囲気に合っていないかもしれないけれど、どうしても外せない店長である私のワガママで流しているアーティストがいます。

Michael Jackson(マイケル・ジャクソン)

言わずと知れた世界のスーパースターである彼の曲は流していると老若男女問わず口ずさんでいるお客様が多く、2009年に亡くなってから年月が経ってしまったのを忘れてしまいそうになる位、今でもマイケルの曲や歌は生きているのではないかなと思ってしまいます。元々はそんなに大好きなわけでもなくただ何となく好きかもというだけの存在でしたがビートルズばかり聴いていた高校生の時ケーブルテレビのマイケル特集を観ていたらどんどんと惹きつけられてしまい、そこからジャクソン5時代の曲も、マイケルの曲もどちらもまるで心に太陽のような暖かい陽が差し込んだような光合成を始めだし、ベーシックスタイルなのに何てかっこよく明るい気持ちにさせてくれるのだろうと無条件にどんどん好きになっていました。

https://youtu.be/UlVIzCQfVfI

その頃には勿論世界のスーパースターだったので、今更周りに言うのは少し恥ずかしく誰にも言わないままずっと聴いていました。

イラストレーターとして仕事が無い時も、お昼に違う仕事をして夜いつかの役に立つようにと色々なイラストカットの自主練習をしている時にウォークマンから流れるマイケルの曲に元気をもらい、途端に忙しくなって心の余裕がなくなりかけた時も車の中で流したマイケルの曲で少しずつ前向きになっていった事を思い出すと、本当に私の心を光合成してくれた太陽のような大切なアーティストだと思っています。

https://youtu.be/pTFE8cirkdQ

そしてどの曲にも色んな諸説やメッセージが込められており、洋楽にまったく詳しくない私でさえ気になって調べてみたというのも不思議な魅力の一つだったのではないかと思っています。

そして自分のお店で自分の好きな曲を流し、それを口ずさんでくれるお客様がいて、それが今の私の心の太陽になっている事に気付きました。

https://youtu.be/oRdxUFDoQe0

カフェで流すBGMを12回に渡ってご紹介してきましたが、なにぶん苦手なジャンルの紹介なので言葉足らずな所が多かったと思います。ですが改めてこんな思いで曲を選び、それがすべてお客様の過ごしやすい時間のひとつの項目になってくれたら、と初心にかえることができたような気がします。

ここまで読んで下さって、本当にありがとうございました!

次回からは私自身40歳になる時を迎えることになり、20~30代を振り返って感じてきたことや思うことが沢山あったので12の項目にまとめようと思っています。

結婚や仕事のこと、家族やお金や資産のこと、オンナの20代30代は何と面倒で面白いのだろうと今は笑えますがその時は真剣だったはず、という事を忘れないようこのブログでまとめておこうと思いましたので良かったら覗きに来て下さいね。

岩上 喜実
イラストレーター、イラストエッセイスト
18歳から書籍挿絵、企業キャラクター、CMイラストを描く山陰在住イラストレーター兼イラストエッセイスト。挿絵書籍と自身が描くイラストエッセイを合わせて、文庫化と海外出版含めて2005年から現在で29冊刊行。
2011年から始めた「ゆるイラスト教室」と同年プロデュースと店長をしている「Non café(米子市)」とイラストレーターを毎日のほほんと楽しみながら奮闘しています。
Non café
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