懐かしい、コメディドラマ

岩上 喜実

テレビを観ていてバラエティーだと顔も気持ちも笑う準備をしているので、大したギャグでなくてもいつでも笑えます!といった状態になっているのでとても容易く笑ってしまうのですが、連続ドラマを観ていて笑うと笑う準備をしていなかったのに笑えるなんてすごい、と子どもながらに思いそれからコメディドラマが好きになりました。

笑って、泣いて、ドキドキして、そんな昔好きだった連続ドラマは何故かTBS系が制作していることが多く、今回はそちらをまとめてみました。

「パパはニュースキャスター」(TBS/1987)

とにかく田村正和さんがとてもダンディで、そしてコミカルで女性にだらしない所が可愛らしく未だに観返したくなるホームコメディドラマのひとつです。

家庭や子育てとは無縁の生活を送ってきたいわゆる独身貴族のニュースキャスターの所に突然現れた「あなたの娘です」と言う名前が同じ(愛と書いてめぐみ)3人の女の子達と一緒に生活をしていくストーリーです。このドラマで私は男性がお酒の席で言う言葉は全部信用しないようにしよう、と子どもながらに感じたのですが、その情けないところも男性がいつまでも可愛いと思えるチャームポイントのひとつだとも思えるほど慌てたり、女性の前で格好付ける田村正和さんの演技が素敵なのです。今では中々成立しないとは思う設定ですが、とても面白くて可愛らしい連続ドラマでした。

「スウィートホーム」(TBS/1994)

日曜の夜に観て「明日から学校頑張ろう」と思えた東芝日曜劇場で思い出すのがこのドラマですが、北海道から上京した家族が子どものお受験のため四苦八苦していく「ありがち」な設定にもかかわらず子どもの可愛さや、ライバルだけど仲間だった家族達がお受験の後とても良い関係だったのが分かるところが後味がとても良かったのが今でも覚えている要因の一つだと思います。

今だとすぐにSNSや裏掲示板などで足を引っ張り合ったりするものですが、夫婦同士での危機があったり小さかった子ども自我が芽生え悔しいという感情が生まれ成長していく所など、さすが東芝日曜劇場!というカテゴリーに入る連続ドラマだと思っています。

「ママはアイドル!」(TBS/1987)

妻に先立たれた3児の親である男性と再婚したスーパーアイドル(中山美穂)のホームコメディですが、何とも世間離れしすぎてとても記憶に残っている連続ドラマです。

オープニングのナレーションがアメリカの人気ドラマ「奥様は魔女」のパロディのようになっていますが、日本語版のナレーションのナレーターが同じなのでコメディ感がお洒落に感じたのです。人気アイドルとしての芸能活動と、ドタバタの末家族の絆が深まるという設定が分かりやすくとても印象に残っていますし、娘役だった後藤久美子さんと中山美穂さんの可愛さに今でも惹かれてしまうのです。

可愛い人を見るのが小さいながらもドキドキした連続ドラマでした。

「カミさんの悪口」(TBS/1993)

こちらも東芝日曜劇場の連続ドラマで、またもや田村正和さんと妻役の篠ひろ子さん夫婦のコメディドラマ。それまで女性達が旦那さんの文句を言い合ってスッキリする構図はあってもこのドラマで初めて中年の男性が集まって奥さんの悪口を言い合う、そのやり取りがとても軽快で面白可笑しく気持ちが良かったのです。

中年トリオが様々な場所で男の井戸端会議をするのも、親友のような熟年夫婦の関係も、憧れる夫婦!とはいきませんがものすごくリアルで、こういう夫婦もいて面白い!と学生の時に笑って泣いた連続ドラマでした。

人気のシリーズだったので、この後も続編や別のタイトルで続いたドラマでした。

「恋がしたい恋がしたい恋がしたい」(TBS/2001)

今回ご紹介する中では比較的新しいドラマですが、所ジョージさんが店長をしている牛丼屋で繰り広げられる男女がすれ違ったり再会したりする群像劇なのですが、1週間後に結婚する予定の女子校教師とホテル清掃をしている女性や、また別の二人は寂しい主婦が「24歳スチュワーデス(CA)」と偽り、男子高校生は「30歳デザイナー」と偽ってテレクラで話していったり、売れっ子作家と恋人のストーリーだったりと色々な話が動いているのですがゴチャゴチャせず丁寧な作りで演技もとても良く、たまに出る名言のような台詞もとても嫌みが無く気持ちが良いのです。

若い方にも、歳を重ねて何かを諦めてしまった方にも何かキッカケになるようなドラマなのです。映画「スワロウテイル」での渡部篤郎さんが好きな方は是非観てみて下さいね。

若い方は知らないような連続ドラマばかりだと思いますが、きっと同年代や年上の方には「懐かしい!」と感じて貰えるドラマをご紹介しました。

私の中ではコメディやラブコメディは家の中で笑う大切な要素の一つで、たとえ家族で口げんかをしている最中でも「アハハ!」と笑ってしまえば何だか不思議と和やかになったり緩やかに平和な空気になったりするのがとても好きでした。そんなドラマを調べるとTBSで制作されたものが多いのに気付き、まだ観ていない昔のドラマがあったら一気に観てみよう、と目論んでいるのです。

岩上 喜実
イラストレーター、イラストエッセイスト
18歳から書籍挿絵、企業キャラクター、CMイラストを描く山陰在住イラストレーター兼イラストエッセイスト。挿絵書籍と自身が描くイラストエッセイを合わせて、文庫化と海外出版含めて2005年から現在で29冊刊行。
2011年から始めた「ゆるイラスト教室」と同年プロデュースと店長をしている「Non café(米子市)」とイラストレーターを毎日のほほんと楽しみながら奮闘しています。
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